第1回葉隠展:風景の世界

第1回葉隠展:風景の世界

小規模ながら,継続的に展覧会を企画します.九州は鍋島藩に因んで,”葉隠れ”展と名づけました.石本は人物,風景,静物等を好んで描きましたが,今回は風景の作品をいくつか選んでみました.あれこれの理屈は抜きにして,しばしご鑑賞ください.ご承知とは思いますが,各絵をクリックして頂くと,拡大して見ることができます.なお、以下において太字の作品は本展覧会で初めて公開するものです。

夕日まずは,東京美術学校を卒業して間もない頃の小品を一つ. "夕日"(H22cmxW16cm, 昭8頃)
です.森の向こうに日が沈もうとしています.家路を急ぐ兄妹でしょうか,それとも畑仕事帰りの夫婦でしょうか.ほのぼのとした雰囲気をもたらしてくれます.



次に,大作をいくつかご覧頂きましょう.30歳代の作品です.

ゆうかり 麦秋 炭鉱の朝 雲と麦

先頭から順に,"ゆうかり"(117x80, 昭14)[佐美],"麦秋"(117x91, 昭14)[佐美],"炭鉱の朝"(91x117, 昭16)[佐美] そして"雲と麦"(90x116, 昭18)[多中]です.

50歳代に外遊しました.外遊以降の作品を続けます.

シテ通り 中央公園 高千穂遠望 北山風景 桜島

オランダ坂の家 溶岩桜島 干潟の有明海

"シテ通り"(46x53,昭39),"中央公園"(24x34, 1972頃),"高千穂遠望"(34x24, 昭48頃),"北山風景"(46x38, 昭49頃) "桜島"(14x18,昭49頃),"オランダ坂の家"(162x146, 昭50)[長美],"溶岩桜島"(162x112, 昭51)",そして"干潟の有明海"(65x80, 昭60)[佐警]です.

有明海の日の出石本秀雄の風景の世界,いかがでしたでしょうか.創作の意図とか人物や静物とのバランスなどお構いなしに羅列しました.たぶん当人も,葉隠れならぬ、草葉の陰で困惑していることでしょう.一つだけ首尾一貫させたいと思います.森の向こうに沈む夕日で始まりましたので,水平線から上る"有明海の日の出"(60x73, 昭50)
で,第1回葉隠れ展を終えたいと思います.



謝 辞

文中[ ]を付した作品は,次の方々の所蔵品です。写真掲載へのご協力に謝意を表します.

[佐警]  佐賀県警察本部
[佐美]  佐賀県立博物館・美術館
[多中]  多久市立中部小学校
[長美]  長崎県立美術館


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